アルコールで太る仕組みの考察




おはようございます。リンさんです。

香川県はかなり田舎で県庁所在地である高松市中心部を除けば、車は多いけども田園や山など実に緑の多い地域が広がっています。少なくとも地方都市らしい特徴を有した県であると言えます。

近年は山奥の食物が取れなくなったせいで、イノシシとブタを交配して生まれたイノブタや、野生のイタチ、タヌキなどが住宅街に現れるようになりました。しかし野生動物は元来警戒心の強い生き物ですから、最近では人里で目にする事もなくなってきています。

野生動物が人里に下りてこなくなったという事ではありません。夜行性なので活動帯が人目につかない時間であったり、道路脇の側溝などを移動経路にしてリスクを避けているわけです。そういったリスクを排除して尚、野生動物は野良犬や野良猫との生存競争も生き残らなければなりません。

ヒトの与り知らない世界の裏側で動物達は生きているわけです。まあ最近早朝に車を運転している時にタヌキを轢きそうになったので、そんな事をしみじみ思ったわけですけど……。

アルコールで太る仕組み

アルコールが身体に悪いというのは周知の事実です。酒は百薬の長と呼ばれていましたが実はそうでもないという事も分かってきたので、お酒は身体に悪くないという論調は既に過去の遺物となりつつあります。

つまりアルコールがコミュニケーションツールであるという認識の問題だけなのであって、アルコールが持っている毒性は否定できなくなってきたという事です。その毒性も少量であるならば問題ないとする意見もあります。少量摂取で抑えられるヒトはそれでいいと思いますが、ここで言う少量とはかなり少量です。

一応のアルコール摂取ガイドラインは缶ビール350ml×2缶程度です。アルコール度数5%前後で700mlですから、それ以外ですとワイン150ml×2杯、ウイスキー45ml×2杯といった具合ですから少量です。これを守れるのであれば飲酒は可能でしょう。

アルコールで最も懸念しなければならない点は依存です。アルコールは適量を守れば毒性もそれほどひどくならないとされていますが、依存とは毒性の強弱を問いません。依存が起きてしまえば適量など簡単に超えてしまいます。

今回はそういった依存が起こった後に起こる話を中心に考えます。

アルコールが脂肪に変わる仕組み

アルコールは主成分がエタノールと呼ばれる物質です。エタノールは分解過程で体内の酵素であるアルコール脱水素酵素によってアセトアルデヒドに変わります。この猛毒物質であるアセトアルデヒドをアルデヒド脱水素酵素によって酢酸へと変換し無害化します。

その後、酢酸は体内のエネルギー通貨であるATPを使ってCoA(補酵素A)と結びつきアセチルCoAになります。このアセチルCoAは体内のATP産生回路であるクエン酸回路(TCA回路)でATPの元になります。

ここまでを考えるとアルコールの摂取は、体内に高エネルギーを生み出す事が出来ると考えますがそうはいきません。問題が1つ発生します。

上記のアルコール分解の工程で使われる補酵素にNAD(ニコチンアミド-アデニン-ジヌクレオチド)というものがあります。これが実はクエン酸回路でも使われる補酵素で、アルコール分解で使われてしまうとクエン酸回路で使う分がなくなってしまいます。

そうなるとアセチルCoAはATPに変換できなくなります。人体は生み出したエネルギー源を最大限肉体に止めておくという機能を持っているので、使われなかったアセチルCoAは脂肪酸へと変換されます。この脂肪酸はアルコール代謝が完了するまで中性脂肪として血中に漂う事になり、最終的には脂肪細胞に格納されます。

つまりアルコール摂取によって代謝がうまく回せなくなるという事が脂肪を貯めるという事に繋がるという事です。アルコール摂取後の二日酔いや抜けない疲れなどはエネルギー不足から起こる現象であると言えます。

NADを体内に十分量蓄えておく方法は2つあり、1つがケト適応を発現する糖質制限、もう1つがトリプトファンを多く含む食品の摂取です。トリプトファンは必須アミノ酸の1つですから高たんぱく食を行う糖質制限だと必然的に増えていきます。つまり糖質制限をしているとアルコール摂取自体には弱くなるかもしれないけど、アルコールの分解は非常に効率よく行える可能性があると言えます。

アルコールを大量に摂取した翌日、身体から酸っぱい臭いがする事があります。あれはアセチルCoAが脂肪酸へと変換し切れなかった際に酢酸として体臭によって発散しているからと考える事が出来ます。

しかしアルコールだけを摂取するヒトは痩せているヒトが多い印象も受けます。反対におつまみをよく食べるヒトが太っている印象ですね。これはアルコール分解にだけエネルギーが使われているのと、アルコール分解の際に余計なエネルギーを摂取してそのまま身体に脂肪として蓄えられるものが増えているかの違いだと言えます。

①糖新生の抑制で太る

アルコールの摂取は、人体が糖を作り出すシステムである糖新生を強烈にブロックします。これは糖を作り出すシステムとアルコールを分解するシステムが同じ補酵素を必要としているからと、代謝反応の優先順位としてアルコールなどの毒物は他の何をおいても最優先で処理されるからです。

アルコール摂取で糖新生がブロックされる時、肝臓はアルコールの分解で手一杯になります。そうなると、おつまみとして摂取した糖質も脂質もたんぱく質も分解されないという事になってしまいます。特に糖質は食物中の50%が肝臓から血中に運ばれるのですが、それも抑えられてしまいます。

そうなると血糖値が低くなり低血糖を起こしてしまう事になります。これが食欲へと繋がります。つまり、低血糖を解消するために食欲中枢を刺激してたくさん食事を摂取するように働きかけます。特に摂取してすぐにブドウ糖となり血糖値を上昇させる糖質を食べたくなるというわけです。

これを先ほどのお酒を飲んでも痩せているヒトに当てはめると面白い事が考察できます。お酒を飲んでも糖質を欲しないから糖質を追加で食べる事が無くなるわけですが、アルコール分解で手一杯になって身体がストップをかけているのか、体脂肪燃焼によってエネルギーを生み出すケト適応が起こっている可能性が考えられますね。

ここで糖質欲求が止まらないというのは、代謝異常を起こしているかもしれませんし、アルコール依存を起こしているのかもしれません。

②血流の促進で太る

アルコールは胃腸の血流を増加させます。しかし適量を過ぎると血流は極端に悪くなります。肝臓のアルコール代謝のほうへエネルギーを傾けるからと言われています。血流促進による食欲の増進効果はそれほど大きなものではないです。

炭酸水を飲むと食欲が刺激される程度のものだと考えるほうが無難でしょう。太る仕組みとしては少々弱いと言えます。

③ホルモンバランスの撹乱

アルコールはアセトアルデヒドという猛毒物質を作り出します。これにより人体の代謝に不具合が現れます。食事において食欲を増進するホルモンと食欲を抑制するホルモンは咀嚼回数や胃腸などへの血流促進などによって切り替えられます。

これによりヒトは食事を摂取しすぎるという事がなくなります。これが出来ないと肥満などの問題を抱えることになりますが、アルコールはこの食欲コントロールホルモンを撹乱させます。

仕組みや機序は全く異なりますが、いわゆる麻酔のような感覚だと思ってもらえればいいのかもしれません。麻酔は痛みを感じる感覚を麻痺させて痛みを伴う作業の苦痛を和らげます。食欲を麻痺させているわけです。

④ビタミン不足で過食を起こす

アルコールはアルコール脱水素酵素で分解されます。適量の飲酒である内は、この代謝経路を活用してアルコールはどんどん分解されていきます。アルコール分解の産物である酢酸はアセチルCoAになり、NADという物質を補酵素にクエン酸回路でATPになります。

ATPにならなかったアセチルCoAは脂肪酸へと変換され中性脂肪として血中に残り、最終的に脂肪細胞へ格納されます。このアルコール分解回路で処理が追いつかなくなると、他のルートも使用してアルコールを最優先で分解しようとします。

先にも述べましたがアルコールはアセトアルデヒドという猛毒を作り出すので早急に人体から排出する必要があるからです。

それがMEOSルートです。MEOSはミクロソーム・エタノール酸化系(Microsomal-Ethanol-Oxidizing-System)の略語です。MEOSでアルコールを分解できますが、このシステムはビタミンB1を必要とします。ビタミンB群は3大栄養素の特に糖質代謝に関わっている微細栄養素です。

MEOS以外にもアセトアルデヒドからケトン体を作る反応もあり、アルコール脱水素酵素以外での代謝反応にはビタミンB1が必要になります。ケトン体を作る反応に関しては日本人はその3~4割が機能が弱いと言われています。お酒を飲んで真っ赤になるヒトはその働きが弱いと言えます。

つまりアルコール分解では通常のルートではNADが不測する事でアセチルCoAがATPに変換されずに脂肪酸のまま脂肪細胞へ格納され、他のルートではビタミンB1が不測する事で代謝が滞ります。ここで糖質たっぷりのおつまみを食べると、考えるまでもありませんね。

アルコール代謝でビタミンB1が不足すれば当然、糖質代謝も滞ります。つまりお酒を飲むと太る。特におつまみを一杯食べると太るという理由はこれになります。

ビタミンB1の不足を補うにはお酒のおつまみを考えなければいけません。糖質たっぷりのものや〆のラーメンなどは問題外です。ビタミンB1を豊富に含む豚肉であったり、トリプトファンを豊富に含むたまごやチーズなどを選択する事で代謝を有利に進める事が出来ます。

まとめます

お酒を飲み過ぎないに越した事はありません。飲酒機会を少なくする事こそ、最も確実にお酒によるリスクを遠ざけてくれます。アルコールのリスクを遠ざける為には毎日お酒を飲まない事と飲酒量を抑える事が望ましいわけです。

結論としてアルコール摂取は太ります。アルコールの仕組みを紐解けば、NADが不足する事と、ビタミンB1が不足する事により太るリスクがどんどん高まっていきます。

これを解決する為にはNADを産生する原料となるトリプトファンを多く含む食材摂取と、ビタミンB1を多く含む食材摂取が必要になります。トリプトファンはチーズや乳製品に多く含まれています。ビタミンB1は豚肉に豊富に含まれています。

つまりこれらを多く摂取するようになる糖質制限ではアルコール分解に関して代謝反応が良くなるという事が考察できます。それ以外でもアルコール摂取の際におつまみを全く摂取しないヒトであったり、糖質を含まないアルコールを中心に摂取している場合は、太るリスクが軽減されると考える事も出来ます。

アルコール分解からのATP産生で脂肪細胞に貯蔵するまでの量の脂肪合成が起こらないタイプもいるという事なのでしょうが、どういったタイプがそうであるのかまでは分かりません。いくら食べても太らないとかアルコールをどれだけ飲んでも太らないとかは、そういった代謝の面で優れているという事なんですね。

最後まで読んでいただき、いつもありがとうございます。










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