糖質制限は老化を促す? マウス実験の結果を正しく読み解く方法




おはようございます。リンさんです。

日本人は本当に研究結果の発表とかで右往左往するな~としみじみ感じます。単品置換えダイエットが流行ったり、過度なカロリー制限を行ったり割とリスクの高いダイエットを日常的にしているにも関わらず、流行っているダイエット法に対して危険だと研究結果が出たとなれば過敏に反応するのは如何なものでしょうか?

現代の日本人女性の摂取カロリーは大東亜戦争(第二次世界大戦)前の女性よりも低くなっているとか、そういう激しいダイエットを行うようになっているという事実の方がよっぽど危険だと思うのですが……。

糖質制限を第三者に否定されても継続していくブレない為の情報分析術

どのような健康法であっても実践していると時に第三者に否定されます。それは個人的な意見の時もあれば大規模な研究結果を示して「そら見たことか」と言ってくる時もあります。

そんな時、例えどれだけ自分の中で信用を置いている健康法でも揺らいでしまうのは人情です。それ自体は仕方ない事ですが、身体に悪いのかもという情報はそれだけで不安を呼び起こしストレスを増大させる為に出来る事なら気にする事無く進んでいきたいと願う問題です。

そんな時に頼りになるのは同じ健康法を推奨してくれる専門的な知識を持つヒトからの発信や助言だったりしますが、それだけを持って信頼とするのは実は危険です。

危険だと否定する情報や、大丈夫だと発信する専門家。それらを鵜呑みする事無く、自分の知識として正誤をそれなりに判断できるような基準を持つ事こそ物事に対してブレずに済む最高の方法です。

例・否定的研究結果「糖質制限は老化を促す」で検証

2018年3月15日、糖質制限を根底から否定するような研究結果が発表されました。

東北大学大学院農学研究科の都築准教授らが発表したもので、日本食に近い栄養バランスの食事を与えたマウス炭水化物を脂質やたんぱく質に置き換えた糖質制限食を与えたマウスでは糖質制限食を与えたマウスに学習能力の低下や見た目の老化が顕著だったという内容です。

ネット界隈では「そら見たことか」「日本食こそ長寿食だ」と大騒ぎ。糖質制限の万能性を揺るがす新事実として拡散されています。そりゃこういった内容の発表であれば不安にもなりますよね。

しかし大事な事はこの情報を自分で判断する事が出来る知識の収集です。

マウスを実験に使用する意味

まずはこの発表の根拠となった実験内容を把握する事から始めます。この研究は食事の違いによる変化がどのように起こるのかを実験用マウスを使って研究したものです。

マウスとヒトじゃ全然違くね? なんてよく調べもせずに決め付けたりしてはいけません。実験にマウスを使うという事はそれなりの意味を持っているという事です。

そこでまずはマウスを実験に使う理由から調べていきます。

①繁殖のしやすさ

ねずみ算で増えていくという言葉があるようにマウスの繁殖力は旺盛で、小さな個体ですから飼育スペースを大きく取らなくて済むといった利点があります。

実験用ですから数をそれなりに確保する必要があるわけです。

②遺伝子改変の容易さ

マウスは遺伝子情報を改変しやすい特徴があります。これの利点はヒトで発生している病の特徴的な遺伝子変異をマウスで容易に再現できるという事です。

統合失調症などの精神疾患で起こる遺伝子変異を起こしたマウスで治療の実験などを行うという事は、ほぼ統合失調症を起こしたヒトで治療の実験をしている事と同義になります。

③神経細胞機能の共通性

ヒトとマウスって違くね? なんて思っていましたが、神経の配線の仕方や脳のでき方など神経細胞の機能はほとんど共通しているようです。

という事は、神経細胞レベルでの異常や発達の過程での異常をマウスで明らかにすることができれば、人ではわからないような知見を得ることができるというのが実験動物を使う重要なポイントのようです。

ただヒトと全く同じになるかというと違う部分があり、それは寿命と代謝系です。

糖質制限は老化を促すという実験にマウスの利点を組み込んで考えてみる

マウスの利点は神経細胞の機能が似ていることです。ヒトと同じような反応を行う為、神経の活動を中心にした実験ではかなり多くの知見を得る事が出来るわけです。

マウスを使っている事の意味はそういう事なんですね。

実験の際に結果を読み解く時、気をつけるべき点はマウスとヒトで明確に異なる点が存在する事で、それが寿命と代謝系です。寿命を決定するような要素栄養素の代謝に関わる機能などを比べて出てきた結果はきちんと吟味しないといけないというわけです。

これはマウスを実験に使っている学者からすれば当然のように考慮に入れる範囲の話だそうです。

気をつけるべきポイントを押さえる

寿命や代謝を比べる時にヒトと異なる点を押さえるという事が重要になります。

①ヒトの寿命、マウスの寿命

ヒトの寿命は最長で120年と言われています。対してマウスの寿命は長い個体で4年。ものすごく簡潔に考えてマウスは1年でヒトの寿命30年分位であると考える事が出来ます。

マウスの実験で寿命が縮まったという結果を聞いた時や老化があったという時、ヒトでいうところの50~60代で老化があったのであればそれは普通ですよね。

他と比べて老化現象がよく起こっていたとしてもね~。老化が始まる年齢と老化が促進されたというのを同一にしてしまうのはちょいと暴論ですよね。

糖質制限食をしていると50~60代で老化が始まる可能性が高くなるって、そら普通やんって思います。

②ヒトの代謝、マウスの代謝

糖質制限的にはヒトの代謝は肉食動物のそれであるわけなんですが、ヒトは何でもよく食べますから肉食よりの雑食生物であると言えるかもしれません。

雑食であっても肉食か草食かで代謝は明確に異なりますから、肉食であるヒトは脂質やたんぱく質の代謝に優れ糖質の摂取に関してそれほど需要を持たないと考えられます。

草食であった場合、消化できない食物繊維を食糧としますから腸内に存在する腸内細菌を使って分解し、腸内細菌の生み出したエネルギーを摂取して活動するという代謝になります。

ヒトは肉を食べて身体が作られるのか、それとも野菜を食べて身体を作られるのか。答えは割と簡単ですよね。

一方、マウスの代謝は草食のものです。都市部のマウスは雑食性になっているのでヒトに近いと勘違いされがちですが自然状態でのマウスは果物や穀物を好みます。

つまりマウスは果物や穀物だけで身体を支える事ができるという事です。果物や穀物に豊富に含まれている栄養素は何でしょうか? 炭水化物ですね。という事はマウスの活動エネルギーは糖質から得るという事に特化しているという事です。

マウスとヒトの食事を比べるという矛盾

さて、そいではここまで学んだ知識を研究結果に組み込んで考えてみます。

研究の内容はこうです。日本食に近い栄養バランスの食事を与えたマウスと炭水化物を脂質やたんぱく質に置き換えた糖質制限食を与えたマウスでは糖質制限食を与えたマウスに学習能力の低下や見た目の老化が顕著だった。

日本食に近い栄養バランスの食事というものの詳細は不明ですが、こういった実験の場合、1日の栄養素摂取量の内で60%を炭水化物から得るという説を支持している場合がほとんどですから今回もそう判断します。

マウスは活動するエネルギーをほぼ糖質から得る草食動物ですから、この食事がマウスの普段の食事と非常に似ているという事が判断できますね。

一方、糖質制限食はどうでしょうか? 炭水化物を制限して脂質やたんぱく質の豊富な食事をマウスに与えているわけです。草食動物に肉食動物の食事を与えているという事です。これは牛に肉を食べさせて「元気が無く乳があまり出ない」と言っているのと同じです。

明らかに代謝に合っていない食事をした為にマウスは老化を早めてしまったというのがこの実験の結論であって、糖質制限でヒトが老化をしやすくなるという事では無いわけです。

マウスは草食動物、ヒトはどうひいき目に見ても草食動物ではなく肉食よりの雑食動物です。この研究者はマウスとヒトは同じ草食寄りの雑食動物であるという前提で研究を進めたのではないでしょうか?

しかしヒトは肉や魚、豊富なたんぱく質や良質な脂質を有する食糧を摂取しないと明らかな成長の遅れを示します。草食を中心にして育った子どもに鬱病が多くなるというのはあまりにも有名な話です。

そう考えればヒトは雑食動物であると譲歩しても、肉食を主体とするという部分は譲歩出来るものではありません

こういうように研究結果とその詳細を詰めていくと「何でそういう結論になっちゃったかな」という実験は非常に多いという事が分かります。今回の記事は糖質制限を擁護しているように感じるでしょうか。それとも実験結果の矛盾を指摘していつように感じるでしょうか。

どのような意見であっても物事を判断する時の手段の1つとして参考になれば幸甚です。最後まで読んでいただき、いつもありがとうございます。










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