糖質制限に注意が必要な場合の考察① -インスリン製剤・経口血糖降下剤の使用-




おはようございます。リンさんです。

糖質制限を開始してから1年ちょっと。その間、市販薬を含む医薬品を全く使用してきませんでした。それというのも薬が必要な場面が無くなってしまったからなんですが、今回はそれが裏目に出ちゃったわけです。

リンさん、昔から膝が痛くなるときがあります。特に右足の股関節から膝までが痛む事がよくありました。

糖質制限を開始してからトリガーポイントという考え方を学んだので、痛みが出たらマッサージで凌げていたわけです。しかし先日痛みが出た時に「マッサージじゃなくてトリガーポイントに湿布を貼ったらいいんじゃね?」と思い立ち実験を開始しました。

すると痛みは確かにあっという間に無くなったんですが、右半身に凄い痒みが出るという事態になってしまったわけです。暫く化学物質に触れる機会の少なかったマイボディは随分とオーガニック寄りになってしまっていたようです。例え医薬部外品であったとしても医薬品の効果、恐るべしって感じですよ。

糖質制限をするなら糖尿病治療薬に気をつける

糖質制限が適応外になる症例に関して記事にしてきました。

糖質制限が適応外となる場合の考察② -肝硬変-

2018.04.28

糖質制限が適応外となる場合の考察① -診断基準を満たす膵炎-

2018.04.27

糖質制限が適応外となる場合の考察③ -長鎖脂肪酸代謝異常症-

2018.04.29

これらは難病であったり慢性化した重症病態であったりするので、病院のお世話になっている可能性があります。その点からそれほど気にしなくても構わないと考えています。もちろん病院のお世話になっていない状態でこれらの病態があるのならば、それは大変危険です。

健康体であるならばそれほど糖質制限適応外を気にする必要はありません。しかし万全を期すのであれば血液検査や糖質制限に理解のあるクリニックでお医者さんに意見を伺う事が必要になります。リンさんはそういった事が面倒だったので即実践しましたけど、それでもある程度のお勉強が必要になりました。

今回から糖質制限を行うに当たって注意が必要な症状に関してのお勉強をしていきます。実はこちらの理由こそが気をつけるべき事が多いです。実際リンさんが糖質制限で行ったお勉強はこちらの要注意項目のものが多いです。

一般的な健康のヒトが糖質制限を行おうとする時は、慢性化した病気よりも目に見えないリスクを考える必要があります。

インスリン製剤と経口血糖降下剤

糖質制限は糖尿病の治療法として存在しています。その前提でありながら糖質制限を行う場合に注意が伴ってしまう事もまた事実です。

糖尿病患者で糖質制限実践に注意が必要な場合とは、インスリン製剤や経口血糖降下剤などを服用していて食後の習慣的に血糖値を下げている場合です。

これらの薬剤は1錠で血糖値が ○○mg/dl 程度下降しますよという指標がありません。おおよその目安で内服や注射を行います。それは従来の糖尿病治療が血糖値が上昇する事前提で話が進んでいるからです。

上がるから下げる。これでコントロールを行うのが従来の治療。

上がらないから下げる必要が無い。これが糖質制限のやり方です。という事は従来の投薬をそのまましながら糖質制限を行うと……上がらないけど薬で血糖値を下げるという矛盾を抱えてしまいます。

この原則に則って考えた場合、最も怖いのが低血糖です。薬でのコントロールは低血糖のリスクが大きいのです。薬で血糖値がどれくらい下がるのかが予測できないから。

治療薬を飲みながら糖質制限をするという事は、血糖値が上昇しないのに血糖値を下げるわけです。そうなると低血糖に成ってしまうので注意が必要なのです。

そういった理由から糖質制限開始前に糖尿病治療薬を投薬している場合は主治医や糖質制限に理解のあるお医者さんと一緒に減薬を念頭に置いた治療が必要になってきます。

糖質制限に理解の無い主治医の下だと、この点が非常に難しいわけです。

糖尿病治療薬の種類と特徴

糖尿病治療薬にも種類があります。身体のどこに作用してどんな効果を及ぼすのかを理解していないと、糖質制限と併用できない薬がありますから、ここの理解は重要になります。

また、糖尿病の病態を理解していればこの薬はあまり使わないべきだし、処方されないだろうなんて薬も結構処方されていたりします。そういった面もここでお勉強していきます。

インスリンを出しやすくする薬

  • スルホニル尿素薬(SU剤)糖質制限実践時は要注意な薬剤
一般名(商品名)

グリベンクラミド(ダオニールオイグルコン)グリクラジド(グリミクロン)グリメピリド(アマリール)など

作用 膵臓、ランゲルハンス島内のβ細胞を刺激してインスリンを分泌させる
副作用 低血糖、体重増加など
糖質制限適応の可否

糖尿病は膵臓、ランゲルハンス島内のβ細胞が機能停止して起こるものであるにも関わらず、そのβ細胞を薬で強制的に動かすという薬。

人体の自然反応ではない大量のインスリン分泌は様々な副作用を発症させます。低血糖、体重増加、更には認知症などのリスクも上昇します。

  • 速効型インスリン分泌促進薬(グリニド薬)糖質制限実践時は要注意な薬剤
一般名(商品名) ナテグリニド(ファスティックスターシス)、ミチグリニドカルシウム水和物(グルファスト)、レパグリニド(シュアポスト)など
作用 速攻型の名の通り、インスリン分泌を速やかに促す薬剤。こちらもβ細胞を刺激してインスリンを出させるタイプ。
副作用 低血糖
特徴 Ⅰ型糖尿病患者で起こる急激な高血糖を是正する以外の用途はあまりありません。
糖質制限適応の可否

こちらもSU剤と同様、糖尿病という病態を理解していけば使いたくない薬です。

もちろん糖質制限との相性も悪いです。

  • DPP-4阻害薬 注意が必要ではないが、薬の効果そのものが軽微な薬剤
一般名(商品名)
  • 毎日内服

シタグリプチンリン酸塩水和物(ジャヌビアグラクティブ)、ビルダグリプチン(エクア)、アログリプチン安息香酸塩(ネシーナ)、リナグリプチン(トラゼンタ)、テネリグリプチン臭化水素酸塩水和物(テネリア)、アナグリプチン(スイニー)、サキサグリプチン水和物(オングリザ

  • 週1回内服

トレラグリプチンコハク酸塩(ザファテック)オマリグリプチン(マリゼブ

作用 膵臓に作用するインクレチンというホルモンの分解を抑制し、その作用を助けます。インクレチンは血糖値が高い時にインスリンの分泌を促すと共に、血糖値を上げるホルモンのひとつであるグルカゴン分泌を抑制させ、血糖を下げます。
副作用 低血糖、便秘など。SU剤との併用は要注意。
特徴 DPP-4阻害薬は人体のホルモンに作用する薬で、インクレチンは血糖値が高い場合にのみ作用します。その為、効果は血糖値の高低に依存します。結果として低血糖は起こしにくいのですが、薬の効果自体も軽微です。
糖質制限適応の可否 効果そのものが軽微であり長期安全性も現段階では不明である為、糖質制限実践時には使用する必要性はあまり高くありません。

インスリンを効きやすくする薬

  • ビグアナイド薬 欧米での糖尿病治療第1選択の薬剤
一般名(商品名) ブホルミン塩酸塩(ジベトス)、メトホルミン塩酸塩(メトグルコグリコラン)など
作用 肝臓での糖新生の抑制、消化管からの糖吸収の抑制、末梢組織でのインスリン抵抗性の改善などの作用があります。
副作用

食欲不振、吐き気、便秘、下痢など。

高齢者、ほかの病気のある方は副作用が重く出ることがあります。造影剤を使用する検査を受ける前は一旦中止します。たくさんお酒を飲む場合はこの薬は使えません。

特徴 低血糖になりにくく、体重増加もしにくい薬です。
糖質制限適応の可否 メトホルミンは糖質制限適応可能な薬剤です。
  • チアゾリジン薬 糖質制限適応可否より副作用が気になる薬剤

一般名(商品名) ピオグリタゾン塩酸塩(アクトス
作用 インスリンの感受性を高める薬です。
副作用 むくみ、急激な体重増加、浮腫、心不全、男性の膀胱癌など
特徴 低血糖の可能性は低い薬です。
糖質制限適応の可否 副作用がバラエティに富んでいる、糖質制限適応の可否ではなくそもそも出来るだけ内服しない方が良い薬です。

糖の吸収や排泄を調整する薬

  • α-グルコシダーゼ阻害薬 糖質制限適応可能な薬剤
一般名(商品名) アカルボース(グルコバイ)、ボグリボース(ベイスン)、ミグリトール(セイブル)など
作用 小腸からの糖の消化・吸収を遅らせて食後高血糖を抑えます。
副作用 お腹の張り、おならの増加、下痢など
特徴 低血糖の可能性が低く、体重増加もしにくい薬ですが効果も軽微です。
注意事項

糖の吸収を抑える薬なので低血糖の症状が出た場合は砂糖ではなくブドウ糖を服用しなくてはいけません。しかしそれは通常の治療の場合。

糖質制限ではそもそもこの薬の効果は必要ないと思われていたが、近年の研究でⅡ型糖尿病の発症を36%、心血管疾患の発症を49%抑制するという報告があった。CGM(持続血糖測定)により平均血糖変動幅改善効果が実証されて、再評価されています。

糖質制限適応の可否 常に内服という薬ではないですが、糖質制限時の糖質の多い食事になりそうな機会に内服するという事も可能です。
  • SGLT2阻害薬 糖質制限適応可能な薬剤
一般名(商品名)

イプラグリフロジンL-プロリン(スーグラ)、ダパグリフロジンプロピレングリコール水和物(フォシーガ)、ルセオグリフロジン水和物(ルセフィ)、トホグリフロジン水和物(デベルザアプルウェイ)、カナグリフロジン水和物(カナグル)、エンパグリフロジン(ジャディアンス

フォシーガ推奨です。

作用 尿中にブドウ糖を 60g/日 排出し血糖値を下げます。
副作用

低血糖、尿路・性器感染、脱水、頻尿、皮膚症状など

フォシーガはケトン体による臓器保護作用が期待されています。その為、通常の糖尿病治療では糖質摂取によってケトン体が上手く機能しないのにフォシーガによりケトン体が上昇する事でこのような副作用が出ると考えられます。

特徴 低血糖の可能性が非常に低い薬です。
糖質制限適応の可否 糖質制限による糖尿病治療に特化した薬剤であると言えます。

まとめます

以上が糖尿病治療薬の特徴と糖質制限適応の可否となります。

糖尿病治療薬と言いながらも、糖尿病の発生した理由から考えると無茶苦茶な作用を施す薬もあります。その中でも糖質制限と糖尿病治療薬の併用というのがだんだん分かるようになってきて薬の有効性と糖質制限の有効性を合わせる事が出来るようになってきました。

こういった治療薬の話もお勉強してみると奥が深いです。リンさんの記事では分かりにくいわという方の為にリンクも貼っておきますね。

ドクター江部の糖尿病徒然日記「SGLT2阻害剤で死亡率減少、ケトン体の臓器保護作用、そして糖質制限食。」「薬を飲んでいる場合の糖質制限について

最後まで読んでいただき、いつもありがとうございます。










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