ミネラルの覚書 亜鉛




おはようございます。リンさんです。

過日、香川県で両親に食事を与えられずに長男が低栄養状態で保護されるという事件がありました。長男は中学2年生にも関わらず身長140cmの体重32kgという低栄養と亜鉛欠乏症の状態で発見されました。

この身体データは14歳男児平均身長162~168cm、平均体重52~57kgと比べると明らかに成長していません。両親は食事を十分に与えていないという児童虐待を疑われ保護責任者遺棄致傷の疑いで逮捕されました。

この記事で気になるのが亜鉛欠乏症です。亜鉛とはどういう栄養素なのか? その辺りを考察していきます。

ミネラルの覚書 亜鉛

亜鉛と聞いた時のイメージは、概ね「分からない」というものかもしれません。ちょっと栄養素に関してトリビアを持っているヒトならば「牡蠣に多い栄養素」くらいでしょう。それ以上知っていたとしても男性機能の維持や味覚維持に関与しているといった所でしょうね。

では実際の亜鉛の効能とはどういったものがあるのでしょうか。

亜鉛は人体の代謝反応全てに必要な酵素の合成に関わっています。酵素とはたんぱく質の1つです。代謝反応に必要な触媒の事を指していて、この酵素が合成されないと身体全体の代謝が滞ってしまいます。

亜鉛は酵素の合成に大きく関わっている成分ですから、当然のように新陳代謝や成長が著しい箇所が存在していれば、そこに最も必要とされます。

この特性から欠乏すると子どもなら成長障害、それ以外の特徴として味覚障害皮膚トラブル毛髪のトラブル免疫機能低下などが起こります。亜鉛の効能が全身に及ぶ事を考えれば、その欠乏症も全身に及ぶ事も理解できますね。

過剰症に関して正確な情報はありませんが、攻撃性が上昇するといった報告もあるようです。

亜鉛の吸収効率

今回の亜鉛を始めとするミネラルは食品からの吸収率が低い事も特徴です。特にミネラル同士の拮抗関係であったり、他の成分と一緒に摂取すると吸収が阻害されてしまったりと色々と気を遣わなくちゃなりません。

亜鉛の吸収を妨げる物質は特に植物性食品に多く存在しています。その為、亜鉛を摂取する場合は動物性を中心に摂取する必要があります。

植物性の栄養素で亜鉛の吸収を阻害するものは食物繊維、フィチン酸、タンニン、シュウ酸、ポリリン酸、アルコールなどがあります。

フィチン酸は大豆、玄米、トウモロコシ、ゴマに多く含まれています。特にこのフィチン酸を子どもが摂取する事は栄養素の吸収効率が非常に低くなるので危険とされます。フィチン酸自体は植物自身の持つ自衛目的のドクですが、大人であれば少量摂取で良好な効果も期待できます。

しかし身体の小さい子どもにはフィチン酸の量が多いので危険というわけです。ベジタリアンの玄米食を子どもに絶対やらせてはいけない理由がこれです。

タンニンは渋みを感じる物質です。この渋みも植物が自衛の為に作り出したドクですが、収れん作用としても機能します。その為に化粧品などの毛穴引き締めなどにも使用されています。

ドクがクスリになるのは割と常識的で、ボツリヌス菌の毒性を薬理効果の範囲まで薄めたものがボトックス注射と呼ばれるものだったりします。

シュウ酸は栄養素の分析項目に無いので多く含む食品というものが良く分かっていません。しかしこのシュウ酸がミネラル吸収阻害作用を持っている事は広く知られていて、特にこのシュウ酸とカルシウムが結合する事によって尿路結石になるという事が分かっています。

ポリリン酸は歯のホワイトニングに使われたりする成分です。変色防止や抗菌などの作用を持っている成分です。当然、身体にとってドクになるかクスリになるかは摂取量によって左右されます。

アルコールの過剰摂取は、ミネラルの吸収効率以前に全ての栄養素の活用に問題を起こします。

ミネラル同士の拮抗関係

ミネラルの拮抗要素としては(特にヘム鉄)とカルシウムが吸収阻害を起こしてしまいます。鉄の過剰状態は銅の不足によって起こります。これは銅が造血作用を持っている為で、銅が無いと鉄の利用が阻害されてしまいます。

亜鉛と銅は血液中に同比率存在している事が望ましいので、亜鉛のサプリメントを摂取する際は銅も摂取できるものが望ましいと言えます。しかし女性は女性ホルモンのエストロゲンが作用して銅をより多く吸収してしまいますから注意が必要になります。

女性は造血作用をしっかり機能させないと月経で血液を失ってしまいます。しかし銅が不足すると血液が作られません。亜鉛+銅のサプリメントで意識して摂取すると銅を多く摂取してしまいますが、そうなると次は鉄の慢性的な不足によって銅過剰になってしまいます。

女性が亜鉛+銅のサプリメントを摂取する際は、鉄不足に陥っていないかどうか、たんぱく質摂取量は十分かどうかなどを判断する必要があります。

カルシウム過剰とは骨に貯蔵されているカルシウムが血液中に放出されている状態の事で、骨がスカスカにも関わらず血中カルシウムが過剰にある状態「カルシウムパラドックス」の事を指します。カルシウムは生命維持活動やストレスの緩和にも作用しているので、骨に貯蔵できない状態とは細胞にカルシウムが石灰化している状態であると言えます。

カルシウムの吸収効率が悪くなるのはフィチン酸を始めとする植物性の成分、マグネシウムの不足、ビタミンKの摂取不足などが挙げられます。これらの状態が重なった上でカルシウム摂取量が多くなると過剰な状態になります。

亜鉛の吸収効率を上げる栄養素

反対に吸収効率を上昇させる栄養素として動物性たんぱく質とビタミンCが挙げられます。牡蠣を食べる時にレモンを絞るといった食べ方が理に適っているのにはこういった理由があります。

またサプリメント全般に言える事ですが、ミネラルに関してはキレート加工されたものを摂取する事で吸収率を向上させる事が出来ます。

キレート加工とはサプリメントなどの表面をアミノ酸で覆う技術の事です。栄養素は腸壁で吸収されますが、ミネラルはその特性上中々吸収されません。腸壁にある吸収口はアミノ酸の形に最も適しているので、アミノ酸で表面がコーティングされているサプリメントは吸収に優れているというわけです。

まとめます

亜鉛は代謝反応に必要な酵素を作り出すために必要になる栄養素です。時に子どもで亜鉛が不足する場合、成長阻害が起こるなど注意が必要になります。

しかし亜鉛を始めとするミネラルはそれだけを意識して摂取していればそれでいいというものでもありません。亜鉛の吸収を阻害する栄養素を避けて吸収率を高める事を意識する。亜鉛を体内でしっかり作用させる為に必要な栄養素も摂取する事など、考えないといけない事が多い栄養素です。

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上記のサイトも参考にしました。最後まで読んでいただき、いつもありがとうございます。










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