三大栄養素を比較してみる




おはようございます。リンさんです。

日中も夜中も急に暑くなってきましたね。梅雨時特有のジメジメしたまとわりつくような空気と夏間近の熱気のコンビネーションは身体中の汗腺を全て開放しているのかという位に、汗ダクになってしまいます。

夏は代謝が下がる時期ですし、暑くて動く気も無くなるので危険な時期です。ヒトの身体は体温を維持する必要があるのですが、それに使うエネルギーは当然ですが外気温の低い冬の方が夏よりも多くなります

寒い環境で過ごす事でミトコンドリアが活性し、脂肪細胞のスイッチが白色脂肪細胞から褐色脂肪細胞に切り替わります。まあ考えてみれば当たり前で、寒い時期に飢餓を迎えていたであろう人類にとって冬のエネルギー消費を上げるという選択は当然なのかもしれません。

三大栄養素の機能比較

栄養素は研究が進むにつれて数を増やしています。少し前までフルサポートを題した栄養補助食品に代表されるように五大栄養素と呼ばれていました。近年では食物繊維やポリフェノールなどの植物性フィトケミカルが追加されて六大栄養素と呼ばれていますね。

その中でもカロリー(人体のエネルギー)になる栄養として三大栄養素があります。糖質(炭水化物)・脂質・たんぱく質の3つがそれに当たります。最近では炭水化物内での食物繊維の有用性が分かってきましたし、食物繊維は糖質とは吸収経路やカロリーが異なるので別物として扱われています。

この三大栄養をバランス良く摂らなくてはいけないというのが現行の栄養学であり常識的知識です。しかしそのバランス良くというのを細かく紐解いてみると説明できるヒトが少ないわけです。

栄養士や管理栄養士と呼ばれるヒトであろうと、そのバランス良くとは「1回の食事における糖質摂取比が全体のカロリーの60%」という説明をすると思います。しかしコレの根拠や何故そんなに糖質ばっかり摂るのがバランス良いの? という質問には答えないでしょう。

カロリー摂取比率においてバランス良くするのであればせめて糖質4:脂質3:たんぱく質3くらいで良いんでねえの? だって、カロリーとしては全部一緒なんでしょ? ってなりそうなもんです。

これについては現行の栄養学もたんぱく質の重要性を見直して、たんぱく質は筋肉を作る・糖質は脳の唯一のエネルギー源・脂質はカロリーが大きいので控えるべきというスタンスになっています。

しかし、これは疑問ではないでしょうか? 糖質やたんぱく質に役割があるのに、何で脂質に役割が無いんでしょうか? カロリーだけを問題にするとこういった疑問をスルーしてしまいます。

最も重要なのは栄養素がどういう役割をもっているのかです。そしてそれが人体でどのように機能するのかですよね。そうなると三大栄養素であろうと六大栄養素であろうと役割があるわけです。

その中でも今回は人体のエネルギーになる三大栄養素をピックアップして考察していきます。

糖質の役割と機能

糖質は炭水化物と呼ばれる栄養素の中で食物繊維を除いた部分の総称です。カロリーとしては1g4kcalですが食事誘発性熱産生が約6%となりますので、100gの糖質を摂取すると人体でエネルギーとして使用されるのは376kcalとなります。

糖質は優れたエネルギー源と表現されます。これは確かにその通りで、まず消化吸収の代謝反応でアルコールの次に優先される2番手である事がその理由です。更に代謝された糖質は肝臓に50%、残り50%を血中に放出します。ブドウ糖として血管を通して各臓器にエネルギーとして供給されます。

脳は血液脳関門という大きな分子のものを通さないフィルターがあるのですが、ブドウ糖はこの血液脳関門を突破できます。その為、脳の唯一のエネルギー源はブドウ糖のみという理解になったわけですが、これには少々ワケがあります。

ブドウ糖が体内に満ちている間はインスリンというホルモンによって脂質の分解が抑制されます。現代のように常に糖質摂取をしている人体の代謝を調べると脳は確かにブドウ糖を主体にしているように感じますが、ブドウ糖が体内に無い場合は脂質を分解して出来るケトン体をエネルギー源として脳は活動を行う事が出来ます。

ケトン体の機能については後述になりますが、飢餓状態で危険な時にケトン体が出ると信じられていましたが、糖質とケトン体のハイブリッドエンジンで通常時も生活しているヒトもいる事が分かってきています。脳が重篤なダメージを受けない為にはエネルギー供給を絶やす事は出来ませんから、ブドウ糖以外のエネルギーも問題なく使えると考えるほうが自然です。

先述のインスリンに関連して、糖質はインスリンを大量に分泌させる唯一の栄養素であるという特徴を持っています。これは糖質摂取により急激に血糖値を上昇させる事をトリガーにしています。摂取した糖質の50%が血中に即座に放出されるわけですからこれは当然の帰結です。

血中に放出されたブドウ糖は基本的に各臓器のエネルギーになり筋肉や肝臓への貯蔵に回されます。しかしそれでも余ったブドウ糖はインスリンによって脂肪細胞へ脂肪に変換されて格納されます。この時に脂肪も一緒に食事から摂取すると使われない脂肪も格納される事になります。

一連のインスリンの機能を引き起こす物質が糖質であるという生化学的な結論から、糖質はヒトを太らせる唯一の原因であると言われます。しかしこれも正しくありません。たんぱく質でも脂質でも身体の材料やエネルギーになる分以上のものが供給されれば太っていきます。ただ、糖質がヒトを太らせる原因の中で最も大きく最も厄介な原因である事は間違いありません。

さて、糖質摂取においてバランス良く1日3食をというのには理由があります。糖質は非常に優れたエネルギー源です。即座にエネルギーになってくれるからですが、インスリンによって体脂肪として格納されてしまうが故にすぐに枯渇してしまいます。

だからこまめな食事が必要になります。しかも食べ過ぎれば血糖値も急上昇させてしまうので、1回の食事で大量の糖質を摂取するのは得策ではありません。この食事は常にエネルギーが枯渇しており筋肉を酷使する仕事をしているヒト、つまり昔の日本人のような生活をしているヒト限定であると言えます。

もう1つ食事を頻繁にしなければいけない理由に、エネルギーとしての効率の悪さがあります。糖質はビタミンとミネラルが揃っていて完全に代謝されて34ATP、不完全に代謝されると2ATPを作り出します。つまり完全燃焼しても36ATPしか生み出しません。1分子辺りのエネルギー産生量は脂質とは比べ物になりません。ですから人体はエネルギー不足やビタミン・ミネラル不足を解消させようと大量の糖質摂取で少ないエネルギーを賄おうとします。

特に問題なのが精白された糖質の存在で、白い米、白い小麦粉、白い砂糖などはビタミンやミネラルが全く存在しない為に体内のどこかからビタミンやミネラルを引っ張ってきて代謝しようとします。なので他の場所で栄養不足が起こり様々な不具合が起こるようになります。

南雲先生のようにゴボウを土付きのまま食べるとか食材をそのまま食べるのであれば良いのでしょうが、それが出来るのはかなりの変わり者ですよね。端的に言って無理でしょう。出来たとしても食材重量辺りの糖質以外の栄養素の多さで食材を選ぶとかまでじゃないでしょうか。

糖質については、この50年で糖質摂取比率が爆発的に上昇し労働が肉体労働でなくなってしまったので糖質の持っている負の側面が大きくなっています。現行の栄養学は時代における変化というものを考慮に入れていません。

糖質に関して考え直す時期に来ていると言えます。少なくとも精白した糖質であるコメで食事中のカロリーの60%をまかなうというのは、時代に即しているとは言えないものになっています。

また、糖尿病患者はこの糖質の代謝に関して問題の起こっている病態ですので糖質を制限する事でのコントロールが最も管理としては容易で、実践としてはハードルが少々高いと言えます。

脂質の役割と機能

脂質は動物性脂肪と植物性油脂からなる栄養素です。1g9kcalという他の栄養素と比べると約2倍のエネルギーを持っています。食事誘発性熱産生は約4%で100gの脂質摂取で人体に吸収されるカロリーは864kcalであると考えられます。

これだけを考えると糖質の2倍以上のカロリーを持っているので太りそうだと思いますが、そこは脂質の役割を考えると変わってきます。脂質には大きく分けて2つの役割があります。1つはATPの産生、もう1つが細胞膜の構成です。

まずはATPとして考えてみます。糖質は最大限代謝出来て36ATPでした。脂質の代謝には条件がありますが、それでも1分子で129ATPを作り出します。カロリーは糖質の2倍ですがエネルギーとしては3倍以上の効率を持っています。

エネルギー効率は素晴らしい脂質ですが稼動条件が少々特殊です。まずブドウ糖の血中濃度が低くインスリンの分泌レベルが低い事、もう1つは糖質の完全代謝と一緒ですがビタミンとミネラルが十分量存在している事です。

インスリン分泌レベルは糖質を完全代謝できるだけの量で摂取する事や筋肉や肝臓に貯蔵できるように運動などで枯渇させておく事などで低下させる事が出来ます。ビタミンとミネラルに関しては精白糖質以外の肉・魚・たまごに関しては含まれているので問題が起こる事は稀です。しかしヒトによっては食材に含まれる量だけでは代謝が出来ないヒトもいますので、そういった場合はメガビタミンなどを実践します。

脂質の大きな特徴として動物性と植物性があるというものがあります。植物性油脂が動物性脂肪よりもヘルシーだとされていましたが、最近の研究でわざわざ動物性を回避して植物性にしても特に健康増進効果が無いという事が分かっています。

オリーブオイルに含まれるオレイン酸が良いとか色々言われていますが、オレイン酸も動物性食品に含まれているので特にオリーブオイルが良いというわけではありません。もちろん動物性をたくさん摂らずにオレイン酸を摂りたいなら別ですが……。

脂質で重要なのは魚油に含まれるEPAとDHAなどのオメガ3系脂肪酸を意識して摂取し、リノール酸やトランス脂肪酸の摂取を避ける事です。これらは脂質のもう1つの役割である細胞膜の構成に大きく関連してきます。

単純に考えるとヒトの細胞膜は植物とは異なり動物のそれですから動物性脂肪が身体に必要だという事に限ります。その中でも例外が魚油に代表されるオメガ3系脂肪酸で、DHAは脳の構成材料になるので意識して摂取しなければいけませんし、EPAは血流や血管を正常に保ってくれるので重要な物質です。

これらは植物性のα-リノレン酸でも同様の効果を期待できますが、α-リノレン酸からDHA、EPAへの変換効率が悪いので基本的に魚油を摂取した方が効率としては良いです。ただし現代人はリノール酸摂取過多ですから、α-リノレン酸を摂取する事でオメガ6系脂肪酸であるリノール酸とオメガ3系脂肪酸の摂取比率をオメガ3系脂肪酸へと傾ける事は重要です。

また動物性脂肪を摂取した方が良い理由の1つには後述のたんぱく質も関連してきます。動物性食品にしか含まれていない栄養素があり、それの摂取を抑えるほど植物性油脂を選択する必要性が薄いのです。

たんぱく質の役割と機能

たんぱく質も動物性と植物性のものが存在している栄養素です。カロリーとしては1g4kcalですが食事誘発性熱産生により30%を消化吸収の際に失ってしまいます。100gのたんぱく質摂取で、人体で使用されるエネルギーとして280kcal分が使用されます。

たんぱく質の機能はほとんど全て筋肉や細胞組織の再構成であると言えます。事実、身体のエネルギーとしては期待できません。たんぱく質は直接的にはATPを作り出さないからです。

たんぱく質は摂取したものが体内でアミノ酸に分解され蓄積されます。分解されたアミノ酸が必要に応じて再びたんぱく質に合成されて使われます。また、たんぱく質は糖質への変換も可能です。この機能は糖新生と呼ばれています。

糖質が足りない場合はこの機能を使ってたんぱく質から糖質を生み出します。しかし普通の食事では糖質過多でたんぱく質過少ですから、食事から糖質を摂取しないと、少ないたんぱく質を使って糖質を生み出そうとするので筋肉の分解が過剰に発生します。

これを起こさないようにするには、たんぱく質をたっぷり摂取する事が必要になるわけですが、糖質摂取比率60%の食事だと糖質だけでお腹いっぱいになってしまうので、中々糖質を減らしてたんぱく質を摂りましょうという簡単な解決法に至りません。

たんぱく質も動物性よりも植物性の方がヘルシーだと思われていますが、実はそうでもありません。これは脂質と話がごっちゃになってしまっているだけの話であり、ヒトは肉食動物ですから動物性たんぱく質の消化の方が楽です。

しかも植物性たんぱく質を優位にすると問題が発生します。植物性では血液を作る栄養素が圧倒的に不足してしまうからです。これは厳格なヴィーガンには意識的にサプリメントなどで補給するように注意喚起されるほど問題視されているものでもあります。

たんぱく質は筋肉を維持するために必須の栄養素です。これが不足するだけで運動していたとしても筋肉は減少していきます。当然、糖質ばかりの生活だと不足してしまいますから、現代では絶対的にたんぱく質が不足していると言えます。

問題があるとすれば、人体は本当にダメにならない限り騙し騙し頑張るという点が問題です。そうなる前にたんぱく質と脂質への認識を改めなければ老化と共にリスクが上昇する各不具合、特に身体的虚弱を示すフレイルを回避する事が難しくなります。

この記事が栄養素に関してカロリー以外の視点を考える一助になれば幸甚です。最後まで読んでいただき、いつもありがとうございます。










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