日本人に痩せの糖尿病が多いわけ




おはようございます。リンさんです。

過日、鶴ひろみさんが亡くなられましたね。鶴さんと言えばアンパンマンのドキンちゃん役やドラゴンボールのブルマ役でお馴染みの老若男女誰でもご存知の声優さんです。

名前を知らなくても声を聞けば「あぁ、このヒトか」となるくらい有名ですね。首都高でハザードを付けて停車中の車内で発見され、その後死亡が確認されたそうです。

死因は病死。

いつの時代もヒロインとして活躍されていた鶴ひろみさん。心よりご冥福をお祈り致します。

日本人は痩せている糖尿病患者が多いという事実

糖尿病と聞くと多くのヒトが不摂生や暴飲暴食などの乱れた生活習慣で自己管理のなっていないデブがなる病気と思われがちです。まあ実際のところ間違いではありません。

糖尿病発症の仕組みを考えれば当然デブがなる病気だと考えますからね。

最も大きい原因を占める太る理由

炭水化物から食物繊維を差し引いたものを糖質と呼びます。この糖質は3大(カロリー源になる)栄養素である脂質、たんぱく質、糖質(炭水化物)の中で摂取すると唯一、直接的そして急激に血糖値を上昇させる物質です。

血糖値は血管内を流れるブドウ糖を表す数値で、健康なヒトは空腹時血糖値が100mg/dl以下に保たれています。健康なヒトの場合、糖質は1g摂取で1mg/dl上昇します。

糖質を特に管理していない日本人の1日糖質摂取量は300g程度と言われています。これは1食につき100gの糖質摂取ですから、健康なヒトの血糖値は空腹時血糖値が100mg/dlと考えると200mg/dlまで上昇することになります。

しかしそうはなりません。血糖値が急激に上昇した場合、インスリンというホルモンが分泌され血糖値が下がるように働きかけるからです。インスリンが血糖値を下げる作用は、細胞組織にブドウ糖を保管することで血中のブドウ糖濃度を下げるというものです。

まず身体を動かすためのエネルギーとして使用されます。余剰分は筋肉細胞へエネルギー源としてグルコースを保管し、それでも余った場合は脂肪細胞へブドウ糖を脂肪に変換して保管します。

筋肉細胞は保管できるブドウ糖量が少ないので、糖質を1日300g摂取する生活をしていると脂肪細胞へ保管される量の方がはるかに大きくなります。

これによりヒトは太っていきます。

糖尿病になる理由

糖尿病はこの、糖質を摂取する → 高い血糖値になる → インスリンが出る → 血糖値が下がる → 糖質を摂取するというサイクルを繰り返すことで発症します。

それというのもインスリンを作る組織はすい臓のランゲルハンス島にあるβ(ベータ)細胞というヤツなんですが、「島」なんて名前が付いているくせにたった数gの細胞組織でしかありません。

小さな細胞組織ですから1日に何回も糖質を摂取するような生活をしていると、β細胞のインスリンを作る能力がどんどん低下していきます。インスリンを作る能力が低下あるいは停止してしまって血糖値を下げることが出来なくなった状態。これが糖尿病です。

最終的に体内で余った糖質が処理しきれなくなり尿に糖がでるのでこの名前が付いています。

インスリン抵抗性とインスリン感受性

しかし不思議な事に日本での糖尿病罹患者の半数以上は痩せ過ぎもしくは標準体重以下の痩せ型のヒトなのです。

これは糖尿病を発症したから痩せていったというわけではなく発症時点で痩せ型だったという意味です。

糖尿病発症の前段階は高血糖からのインスリン分泌による脂肪細胞の肥大つまりデブになることだったはずなのに、デブになっていないのに糖尿病になるヒトが多いというのは何故なんでしょうか?

太らない理由その①基礎代謝が非常に高い

まず大事な前提があります。

これは糖質の過剰摂取をしても太らないヒトに対して考えられる太らなかった理由なだけであって、太らない事=糖尿病にならない事ではありません。

まず1番目に考えるのが基礎代謝が非常に高いという点です。いわゆる痩せの大食いタイプですね。糖質は摂取すると身体を動かすためのエネルギー源となり、筋肉その後に脂肪細胞へ保管されます。

基礎代謝が非常に高いタイプのヒトは身体を動かすためのエネルギー源として利用される部分が大きいので、脂肪細胞へ保管する分など残す事無くエネルギーとして全て消費されてしまうと考えられます。

では何で基礎代謝が非常に高い痩せ型なのに糖尿病になるのでしょうか?

それは糖質摂取によるエネルギーが全て処理できる身体であっても、糖質摂取によって上昇した血糖値を下げるためにはインスリンの働きを必要とするからです。太ることが無くても、糖質摂取の度にインスリンを出し続けていればβ細胞は機能を低下または停止させてしまいます。

インスリン機能が低下または停止しても基礎代謝によるエネルギー消費が大きいので痩せたままで糖尿病になるというわけです。

太らない理由その②インスリンの効きが良い

2番目はインスリンの効きが良いタイプです。

よく「インスリン抵抗性が低い」とか「インスリン感受性が高い」とか言われるヤツです。この2つは同じ事を指しています。

インスリン抵抗性が低いとは細胞組織がインスリンに対して拒否反応を起こさない。

インスリン感受性が高いとは細胞組織がインスリンに対して確実に反応を起こす。

つまりどちらの言葉でも、少量のインスリンで血糖値が適正範囲まで下がるから、β細胞の疲弊が少なくて済むし脂肪細胞への保管も少量で済むという事ですね。

インスリン分泌量が少なければそれだけβ細胞は長く活動できます。しかもインスリン単体の効きも良いので太りにくい。このタイプは加齢に伴ってぽっこりお腹になったりするタイプで日本人に多いといわれています。

太らない理由その③自己管理が徹底できる

3番目の理由は見も蓋もない話ですが、単純に自己管理が出来るタイプです。この場合の自己管理とは数多ある健康法の中から「カロリー制限による自己管理」が出来るタイプを上げます。

いわゆる「食事は腹八分目で止められ1日3食で暴飲暴食もなし。もし過食しても何日かけてでも体調を戻す努力の出来るヒト」です。

当たり前の話ですがこういったタイプも太りませんね。しかしカロリーコントロールを基本にしていますから、どうしても脂質の摂取を避けその分を炭水化物に乗せがちです。

何でたんぱく質摂取に走らないのかと言うと、たんぱく質は満腹感や満足感はあるがカロリーとしてのエネルギー源としては脂質、糖質と比べて期待できないからです。

エネルギー源として脂質を避けるのであれば、残るエネルギー源は糖質のみとなります。太りにくいでしょうが、糖質摂取の機会が多いので糖尿病予防にはならないでしょうね。

「太りにくければ大丈夫」「痩せていれば平気」ではない

何を食べても太らないヒトや「腹八分目を意識して食えばいいだけ」と言っているヒトもいますが、身体の代謝反応として歴然と異なるタイプはいますから、それだけで病が防止できるというわけではありません。

確かに日本人はインスリンの作用で太る可能性が高くない民族です。

それは糖尿病に罹患する患者の半数が痩せ型であるというところからも推測できます。ですが、太りにくいが故に痩せたままで糖尿病にまでなってしまうヒトが多いというのが実情なのです。

不摂生だからデブになって糖尿病なんかになるんだよ。マジ笑えるという考え方は思考停止でしかありません。不摂生でデブは確かな事実ですが、痩せてても「腹八分目を心がけて」いても糖尿病になることも事実なのです。

欧米人の肥満と日本人の糖尿病は関連性がある

ちょっとここで太るヒトはどうなのかということを考えてみましょう。

太るにしても理由はあります。

太る理由その①単純なカロリーオーバー

消費する量より摂取する量のカロリーを制限すれば痩せるというカロリー制限神話は崩壊しました。

しかし過剰なカロリー摂取は体重増加に繋がるという皮肉な真実だけは残りました。これは糖質制限でも変わらない事実です。

カロリー制限で痩せるという神話は崩壊した。人体が吸収するエネルギー量は個人によって違い、同じヒトでも体調や日によって違う。だからカロリーの概念もほぼ崩壊した。でもカロリーオーバーでは太る。どないせーっちゅうねん。

太る理由その②インスリン抵抗性が高い

欧米人に特に多いのですが、インスリン抵抗性が高く大量のインスリンを分泌しないと血糖値が下げられないタイプが存在します。インスリン抵抗性が高いとは、細胞組織にインスリンが効きにくいので大量のインスリンを分泌しないと血糖値が下げられない状態で、その分β細胞の疲労が早いわけです。

インスリンが分泌されればされるほど、ヒトの代謝反応は太る方向へ舵を切りますからどんどん太り、β細胞は疲れきって糖尿病が発症します。このタイプは肥満型ですが欧米人と日本人で根本的に異なる点があります。

欧米人は150キロくらい楽勝で太りますが、日本人が太る場合は120キロくらいが限界となっています。これはインスリンを分泌する能力が非常に高いと際限なく体重が増加してしまう事に起因し、日本人は欧米人に比べてインスリン分泌能が低い傾向があります。

だから欧米では極端な肥満が多く極端な肥満があって初めて糖尿病になるヒトの割合が大きいわけです。

インスリン分泌能が欧米人に比べて低い日本人は欧米人よりも太れないので欧米人に比べれば軽度の肥満症で糖尿病になってしまうのです。

太る理由その③節約遺伝子を持っている

節約遺伝子とは、ひと言で言うとどんな身体活動を行っても燃費が良い状態を保てる遺伝子のことです。カロリー制限や断食、飢餓などで身体の代謝が落ちる恒常性(ホメオスタシス)とは違い、この節約遺伝子は生まれた時から燃費が良いのが特徴です。

現代では節約遺伝子と言って忌み嫌われていますが、この遺伝子は飢餓に対応できる長寿遺伝子でもあります。実際、飢餓や凍死などの危険が無くなった現代ではただただ太るだけの良いところがない遺伝子なのですが、これが狩猟採集や農耕開始時くらいの時代だったなら、少ない食料で効率的に脂肪を溜め込める身体が長生きできたと考えるのは自然な流れでしょう。

つまりこの節約遺伝子を持っていながら過剰な肥満体になっていないヒトは長生きをする可能性が高いのです。が、しかし現代ではこのタイプはほぼ肥満体です。

まとめ

  • 日本人の糖尿病罹患者の半数は痩せ型で発症
  • インスリン抵抗性が低いヒトが多いので日本人は痩せ型で糖尿病になるヒトが多い
  • 腹八分目やカロリーを気にしていても糖質摂取でインスリンを出していたらいずれ糖尿病になる
  • 太らない理由は生活習慣やインスリンの生産やインスリンの能力によるものなので、糖尿病になるかどうかとはまた別の話
  • 太るのはインスリンが効きにくく過剰な量を分泌しないと血糖値を下げられないから
  • 節約遺伝子は長寿遺伝子でもある。でも現代ではほぼ肥満になる原因でしかない

最後まで読んでいただきありがとうございます。










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